記事カテゴリ: BOE、ECB政策金利系まとめ

2014年6月 6日

BOE、ECB政策金利まとめ 6月、ECBが利下げ&マイナス金利導入の衝撃

2014/06/05 (木) 20:00

英中銀政策金利
結果 0.50% サプライズ無し!
予想 0.50%
現行 0.50%

英中銀資産購入枠
結果 3750億ポンド サプライズ無し!
予想 3750億ポンド
現行 3750億ポンド

   

2014/06/05 (木) 20:45

ECB政策金利
結果 0.15% 予想よりも緩やかな利下げ!(想定の範囲内でサプライズは無い)
予想 0.10%
現行 0.25%

※中銀預金金利 市場予想通りに-0.1% 予想どおりのマイナス金利!

  

21:30ごろから ECB総裁ドラギ会見

ドラギ.jpg 

「ABS購入を準備」
「理事は行動で全員一致。」
「証券市場プログラムの不胎化は終了へ。」
政策金利は長期にわたり現行水準かそれ以下。」
「オペ全額供給は継続を決定。」
「一連の措置でインフレ率は目標に戻るだろう。」
「一段の措置必要なら迅速に講じる。」
「マイナス預金金利、超過準備にも適用。」
「的を絞るLTRO計画の当初規模は4000億ユーロ。」
「2回のLTROは9月と12月に実施。」
「ECBは為替動向を注視している。」
「政策委員会は物価安定を守る強い決意。」
「ECBの措置はまだ終わっていない。」
「以前の予測よりも金利は長い期間、低く留まる可能性。」

   

   

BOE金利は全くサプライズ無し。

その後のECB金利は、市場予想どおりとはいえ、

利下げ&マイナス金利発動。

たしかにメガトン級の悪材料ですが、

一応、市場予想の範囲内でサプライズは無いはずです。

材料織り込み済み・・・・となるはずですが、実際はどうなったのでしょうか。

  

その後のECB総裁ドラギ会見は、

基本的に悲観的な内容でした。

追加の措置を臭わせる発言も飛び出しました。

低インフレの長期化を懸念しているということで、

ユーロ安誘導方向の措置と思われます。

    

ECBは依然として金融緩和の方向を向いており、

金融引き締めの方向に舵を切った米FRBとは完全に方向が逆です。

ファンダメンタル分析的にユーロ高になる材料では全くありません。

  

常識的、ファンダメンタル分析的に考えると

・BOE金利では、材料織り込み済みで動かず

・ECB金利でも、材料織り込み済みで動かず

・ドラギ会見で、ユーロ爆安に

となるのが、ファンダメンタル分析的に自然に思えます。

   

また、グローバル的な視点で見ると、

米国はQE3縮小で、ドルのジャブジャブ供給を絞りつつある(金融引き締め)

その一方で、欧州、英国は、いまだに従来のジャブジャブ通貨供給を続けている(金融緩和、通貨の希薄化)。

となると、ファンダメンタル分析的に考えると、

対ユーロ、対ポンドで、ドルの価値が上昇するのが

自然な論理的帰結のように思えます。(=ユーロドル、ポンドドル下落)

     

では、この材料を受けて、

机上の空論ならぬ現実のマーケットはどのように動いたのでしょうか?

ファンダメンタル分析の通りに動いたのでしょうか?

    

↓のチャートを見る前に1分間想像してみてください

・ユーロドル の値動き

・ユーロ円 の値動き

・ポンドドル の値動き

・ポンド円 の値動き

・ドル円 の値動き

・原油 の値動き

・金 の値動き

・NYダウ の値動き

                                      

5分足 下記のチャートでは14:00が日本時間20:00 BOE金利

fxxpa0337

        

ユーロドル5分足

fxxpa0339

※このチャートを見る方法

 

BOE金利ではさほど動きませんでした。

いわゆる材料織り込み済みというやつです。

  

その後のECB金利も、市場予想どおりで、

材料織り込み済みになるかと思いきや、

思い切りユーロ暴落!!!となりました。

全く材料を織り込んでいませんでした。(笑)

   

結局、材料を織り込んでいるか、織り込んでいないかは、

後になってみないと分からないわけです。

「材料織り込み済み」という言葉がいかに無意味か分かります。

  

そしてその後、ドラギ会見で悲観発言連発で、

ユーロ暴落が加速するかと思いきや、

たしかに初動はユーロ暴落だったのですが、

なんと10分ほどで強烈なカウンター買いが発生し、

そこから爆裂上昇開始。

Vフォーメーションでロケット上昇となりました。

ドラギ会見のどの辺にサプライズ反応したのか分かりませんが、

常軌を逸した猛烈なユーロ買いとなりました。

   

ファンダメンタル分析的に考えると全く理解できませんが、

これが生きた相場なのです。

         

さて、場味の分析ですが、

ユーロ安になるべき材料で、

マーケットは初動でユーロ安になったものの、

直後に爆裂ユーロ買いとなりました。

典型的な「悪材料出尽くし」の反応です。

反転リバーサルパターンです。

今晩の米雇用統計で、その方向性が本物かどうか見極めたいと思います。

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