記事カテゴリ: BOE、ECB政策金利系まとめ

2012年10月 5日

BOE、ECB政策金利まとめ 10月

2012/10/04 (木)

20:00 英中銀政策金利
結果 0.50% 何のサプライズも無い
予想 0.50% 
現行 0.50%

20:00 資産購入枠
結果 3750億ポンド 何のサプライズも無い
予想 3750億ポンド 
現行 3750億ポンド

   

20:45 ECB政策金利 
結果 0.75% 予想どおりの据え置きでサプライズ無し
予想 0.75% 
現行 0.75%

        

21:30ごろから ECB総裁ドラギ会見

ドラギ.jpg

「ユーロ圏の経済成長は引き続き弱い見通し。」
「インフレ率は2012年中は2%を引き続き上回り2013年には2%を下回る見通し。」
金融市場の緊張継続と高い不透明性が信頼感とセンチメントを圧迫。」
「新債券買い入れプログラムの決定がここ数週間、緊張を和らげた。」
「新国債買入れプログラム、十分に効果的な措置となる。」
「理事会は、金融政策の「単一性」保持に向け引き続き強くコミット。」
「われわれは厳格に責務の範囲内で独立して行動。」
「ユーロは後戻りできない。」
「条件が整えば、新債券買い入れプログラムを実施する用意。」
成長へのリスクは下向き。」
「第3四半期も経済活動の弱さが続く見込み。」
回復は非常に緩やかに。」
「成長の勢いは引き続きバランスシート調整により圧迫される見通し。」
「成長へのリスクは特に金融市場の緊張が原因。」
「リスクは政策当局者の効果的な行動により抑制されるはず。」
インフレリスクはおおむね均衡。」
「基調的な物価圧力は引き続き緩やかになる見通し。」
「金融政策の観点から正当であり適切なコンディショナリティがある場合には、新債券買い入れプログラムを実行できる。」
目的が達成されたり、諸国が条件を順守できない場合は、新債券買い入れプログラムを停止する。」
「予想を下回る成長・金融市場の緊張・間接税が物価に対するリスク。」
現在のインフレ水準は一時的、2次的影響にはつながらない。」
「政策当局者の効果的な行動なければ、経済のリスクバランスは下向きになる可能性。」
「金利据え置きは全会一致で決定。」
「スペイン債利回りについてコメント控える。」
「保有ギリシャ債の再編は中銀による財政支援に当たる。」
「財政協定の早急な導入、信頼感の底上げで大きな役割果たす。」
「再編の面で進展がみられる。」
「必要に応じて銀行の状態を引き続き強化することが大切。」
融資動向の低迷は、弱い経済とバランスシート調整を反映。」
「欧州の単一監督機関設立に向けた委員会提案を歓迎。」
「監督と金融政策は明確に分離されるべき。」
「議事録公表に関しては賛否両論ある。」
「議事録公表についてはオープンマインドだが、複雑な手続き伴う。」
各国政府は多くの点でかなり前進した。」
新債券買い入れプログラムの準備は整っている。」
「今や決定は各国政府次第に。」
利下げの議論はなかった。」
「(今後数ヶ月の利下げの可能性について議論したかとの質問に対して、)ノー」
「コンディショナリティには、モラルハザード回避などいくつかの役割ある。」
「新債券買い入れのコンディショナリティは、ECBの独立性を守る。」
「若年層の失業問題への対応必要。」
「労働市場の改革によって可能。」
「物価の変動率は、中期的な物価安定に沿っている。」
「金融政策の波及経路を修復できるかどうか見極める必要。」
「理事会の議論は非常に建設的だった。」
「EBAが提示した銀行の資本水準に関するリポートは心強い。」
「スペインはかなり前進したが、課題は残っている。」
「銀行セクターについて短期間で多くの措置を取ったことは、非常に評価できる。」
「物価安定においては完全に一致している(独連銀と見解が一致しているかとの質問)。」
「コンディショナリティは懲罰的である必要はない。」
「支援要請するかどうかはスペインが決定すること。」
「支援要請があれば、IMFの関与を積極的に模索する。」
「要請があれば、体制は整っている。」
「ポルトガルは非常に大きな前進を遂げた。」
「ポルトガルによる債券発行は心強いニュース。」
「新債券買い入れプログラムがユーロ圏諸国の信用状況を緩和させた兆候があるかとの質問に、「イエス」と回答。」
金融市場全般に大きな改善がみられる。」
「金利スプレッドは7月の水準を大幅に下回っている。」
「ターゲット2の不均衡は安定した。」
「ボラティリティーは引き続き比較的高い。」
「各国政府は全ての面で改革の取り組みを継続する必要。」
「新債券買い入れプログラムは、短期債発行を促すことを意図していない。」
「新債券買い入れプログラムの対象国が、国債の償還期限を変える可能性はきわめて低い。」

       

BOE金利は、

市場予想どおりの据え置きで

サプライズは全くなし。

  

ECB金利も、

市場予想どおりの金利据え置きで、

サプライズはまったくありませんでした。

     

その後のECB総裁ドラギ会見は、

所々前向きな発言が見られたものの、

基本的には悲観的な内容となりました。

また、追加の債券購入プログラムの準備があることを明かしましたが、

これは要するにもっとユーロを刷って刷って刷りまくります!

ということで、

短期的にはユーロ崩壊を食い止める策にはなるかもしれませんが、

長期的に見れば、ユーロの希薄化を招くことになります。

     

常識的、ファンダメンタル分析的に考えると

・BOE金利では、材料織り込み済みで動かず、

ECB金利でも、材料織り込み済みで動かず、

・ドラギ会見で、乱高下の後、結局方向感を失い元の水準に、

となるのが自然に思えます。

   

少なくとも、ユーロが上昇する材料には思えません。

   

では、この材料を受けて、

机上の空論ならぬ現実のマーケットはどのように動いたのでしょうか?

   

↓のチャートを見る前に1分間想像してみてください

・ユーロドル の値動き

・ユーロ円 の値動き

・ポンドドル の値動き

・ポンド円 の値動き

・ドル円 の値動き

・原油 の値動き

・金 の値動き

・NYダウ の値動き

  

5分足 下記のチャートでは14:00が日本時間20:00 BOE金利

fxxp0003.jpg

※このチャートを見る方法

     

ユーロドル5分足

fxtecc0044.jpg

  

ドル円5分足

fxtecc0045.jpg

      

ユーロ円 5分足

fxtecc0046.jpg

   

まず、BOE金利はほとんどマーケットの反応無し。

まあ、何のサプライズも無い、予想どおりの材料だったので、

「材料織り込み済み」ということで理解できます。

  

次のECB金利でも、さほど反応はありませんでしたが、

どちらかというと全体的に上に行きたがっているような反応でした。

ドル円はECB金利発表後、じわじわと上昇していきました。

   

その後、日本時間21:30になって、ドル円は飛び上がるのかと思いきや、

いきなり下落!!

マーケット全体でドル安の嵐が吹き荒れました。

  

欧州通貨は対ドルで爆上げ、対円でも爆上げとなり、

クロス円はイケイケドンドンの上昇。

  

この流れの中、ドル円は当初ドル安による下降圧力により、下落しておりましたが、

クロス円高騰による上昇圧力により、下値も限定的で、

相矛盾するベクトルの狭間で滞空しました。

ドル円のトレンドレスな状況の本質が、

見事に凝縮されたような相場となりました。

   

さて、場味の分析ですが、

マーケットは突然リスク選好のエンジンが始動したような感じもありますが、

かといって、ドル円は上昇トレンドが発生しているわけでもなく、

上昇圧力(クロス円買い)と下降圧力(ドル売り)の狭間でのたうち回っている状況です。

また、原油、金を見ても、上昇の流れは確認できません。

なんとも中途半端な状況となっております。

   

これは何を意味しているのでしょうか?

今晩の米雇用統計で見極めたいと思います。

   

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