2013/04/05 (金) 21:30

非農業部門雇用者数(3月)
結果 88千人 予想の半分ほどの弱い数字!
予想 190千人 
前回 268千人(236千人から修正)(前月比)

失業率(3月)
結果 7.6% 予想を上回る改善
予想 7.7% 
前回 7.7%

         

今回の雇用統計は、

非農業部門雇用者数が予想を大きく下回る弱い数字、

失業率がわずかに予想を上回る好結果

となりました。

    

米雇用情勢は、一進一退を繰り返しながら改善してはいるものの、

市場が期待しているほど力強い回復ではない

ということのようです。

   

常識的、ファンダメンタル分析的に考えれば、

NYダウ 失望売り

ドル 失望売り

全体的には冷静さを取り戻してリスク回避的な空気

となるのではないかと思えます。

      

では、この材料を受けて、机上の空論ならぬ現実のマーケットはどのように動いたのでしょうか?

   

↓のチャートを見る前に1分間想像してみてください

・NYダウ の値動き → 上昇?下落?

・ドル円 の値動き → 上昇?下落?

・ユーロドル の値動き → 上昇?下落?

・ユーロ円 の値動き → 上昇?下落?

・ポンドドル の値動き → 上昇?下落?

・ポンド円 の値動き → 上昇?下落?

・原油 の値動き → 上昇?下落?

・金 の値動き → 上昇?下落?


   

1分足 下記のチャートでは15:30が日本時間21:30

fxxp0042.jpg

NYダウ暴落、ドル安、、、はいいが、円相場が発狂

    

15分足

fxxp0046.jpg

結局、円安バブル続行

    

ドル円5分足

fxxp0043.jpg

     

※このチャートを見る方法    

       

   

発表直後の初動は、

・株 暴落

・ドル 全方位ドル安

・クロス円も初動は暴落

でした。

いわゆるリスク回避的な動きでした。

   

さほど良い結果ではなかったので、

常識的に理解できる値動きです。

    

しかし、ものの5分でその流れが変わります。

雇用統計発表の約5分後に、どこからともなく猛烈な円売りの注文が殺到。

対円だけでドルがもの凄い勢いで買われます。

ドル円は恐ろしい勢いでロケット噴射開始。

(対円以外では猛烈なドル売り)

円は紙クズになるんじゃないかというような勢いで売られまくり、

ドル円は年初来高値を更新しました。

    

米雇用統計は弱い内容で、

ドルが積極的に買われるような結果では全くありませんでしたが、

ドル円は狂い上げとなりました。

    

ファンダメンタル分析的に考えると

まったく意味の分からない値動きですが、

これが生きた相場なのです。

   

さて、場味を見てみますと、

良くも悪くも無い微妙な材料に対して、

マーケットは全力買いで反応しました。

ジュリアナ1.jpg 

そうです、これがバブルです。

   

いつかははじけて消える、バブルですが、

踊るアホウに見るアホウ、

同じアホなら 踊らにゃソンソン

というやつです。

   

2005年から始まり、2007年に絶頂を迎え、

2008年に跡形も無くはじけて消えた円安バブルの時も、

こんな雰囲気でした。

じっくりと観察していきたいと思います。

   

  

この否定的なニュースの中で、

株価は値を崩すことなく、記録的な高値レベルで取引されています。

取引されているべきレベルよりもずっと高値で

株価が推移しているという事実は、

私には、株価はもっと上昇する可能性が高いように思えます。

『新マーケットの魔術師』 
第三章 ベテラン・トレーダー ランディ・マッケイ より

  

  

(Q.色々な相場のヒステリーに共通点はありますか。)

いつも同じサイクルをたどる。

相場が安い時は、割安をねらって一部の人が買いにくる。

相場が上がり始めると、ファンダメンタル的に良いとかチャート的に良いとかいって

さらに多くの人が買いにくる。

次の段階になると、上がるから買うということになる。(中略)

そして最後に魔法の段階に到達する。

人々はヒステリーのように買いたがる。

相場は永遠に上がり続けると思うからだ。

そして株価は合理的、論理的経済価値をはるかに超えてしまう。

全く同じプロセスが下向きにも繰り返される。

『マーケットの魔術師 - 米トップトレーダーが語る成功の秘訣』 
第三章「好対照のふたり ジェームス・B・ロジャース,Jr.」 より