先ほど、メルマガ最新号
FX・株のテクニカル分析入門 第258号
窓・壁理論入門6 潜在的な推進力の理論 概要
を発行致しました。
以下は前号のバックナンバーです。
FX・株のテクニカル分析入門 第257号
窓・壁理論入門5
窓が株価を引き寄せるのはなぜか?part2
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こんばんは。FXTECです。
いつもご愛読ありがとうございます。
感謝します。
さて、本日は、
窓・壁理論5 窓が株価を引き寄せるのはなぜか?part2
をご紹介します。
■窓・壁理論って何だっけ?
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/fxfxl0244.jpg
窓・壁理論とは、経済アナリストの黒岩 泰氏が提唱しておられる
テクニカル分析手法で、
(※ http://fxtechnicalblog.fxtec.info/url/r.cgi?mado )
チャート上に出現する
・「窓」(Gap)、
と
・「壁」(具体的には、ヒゲ)
に注目してそれらを相場分析に利用するものです。
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/fxfxl0244.jpg
大きなトレンドを分析するというよりも、
根源的な相場の力学に着目した、
レジスタンス・サポート分析です。
■そもそもこの理論で言ってる窓の定義は?
黒岩氏は、
ローソク足の間にできた空間
を窓と定義しています。
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/fxfxl0268.jpg
窓を空けて寄り付いても、
その後のザラ場でできるヒゲが前の足と同値、
あるいはかぶっている場合には
窓と見なさない、と定義しているようです。
なお、「窓埋め」についても、
窓の一部分値がかぶるだけでも窓埋めとみなし、
窓の上限(あるいは下限)と当日の安値(あるいは高値)が同値であっても
「窓埋め」と定義するとのことです。
■はいはい、で、窓が株価を引き寄せるのは何故なんだぜ?
前号でもご紹介した黒岩氏の解説をもう一度見てみましょう。
以下、黒岩泰著「最強のテクニカル分析」より引用
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/url/r.cgi?mado
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/mado01.png
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/mado02.png
「現在の株価を1000円、
上方の窓が1100円から1200円まで空いているとして、
100円分下落させる売り注文が入ったとしよう。
すると、株価は100円分下落して、900円となる。
(中略)
しかし、逆に100円分上昇させる買い注文が入ったとしたらどうだろう。
"100円分"の買い注文なわけだから、
株価は1000円から1100円まで上昇するはずである。
ただ、1100円まで上昇したら、
そこから上は"窓"がぽっかり空いているのである。
窓の部分に指値が存在しない(真空地帯)とすれば、
株価は一気に1200円までオーバーシュートしてしまうだろう。
つまり、同じ100円幅の売り圧力、買い圧力であっても、
結果としての値動きは、
前者は100円、後者は200円となるのだ。
要するに、この場合「買い方が有利」であるということなのだ。
(中略)
そして、上方に窓が存在している限りにおいては、
"買い方が有利"であることから、
株価は上昇し続けることになる。」
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/mado01.png
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/mado02.png
以上が窓理論の中核となる記述部分です。
「窓の部分に指値が存在しない(真空地帯)とすれば、
株価は一気に1200円までオーバーシュートしてしまうだろう。」
の部分が特に核心と思われますが、
なぜ窓をすっ飛ばしてオーバーシュートするのか?
その問いに対して黒岩氏は
「指値が存在しない真空地帯だからだ」
と静かに答えます。
これだけだとよくわからないので、
もう少し掘り下げてみます。
ここで言う「指値」とは、戻り売りの指値のことと思われますが、
たしかに、窓ができたということは、
そこで売買が成立しなかった、
という事実を意味しています。
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/mado01bb.png
上の図で言えば、1200円から1100円の間に、
殺到する売り注文に対する十分なボリュームの買い注文がなく、
1100円でやっと均衡するボリュームの買い注文が出て売買が成立した、
ということを意味しています。
そして、1200円から1100円のゾーンにおける注文は
完全に一掃されており、
その意味で、たしかに「真空地帯」と言えます。
窓が空いた直後の時間であれば、
窓の空間には、
戻り売りの注文もほとんど置かれていない(売り注文が極端に薄い)
ことが予想され、
たしかに黒岩氏の言うような、
窓上限にむけて引力のようなものが働くことも、
あるのかもしれないな、という感じがします。
面白い理論です。
為替では、
たしかに月曜日早朝のオセアニア市場で、
前週のNY終値から窓が空いて寄り付いた場合、
(未来レート http://fxtechnicalblog.fxtec.info/2006/12/saxo_1.html )
その日のうちに、高い確率で窓を埋めるという経験則があります。
(窓を空けて始まった後に、時間足レベルで窓埋めの動きがある。)
この黒岩理論で考えると、なるほどという感じがします。
(逆に言えば、そこで窓が埋まらない場合、
相当巨大なエネルギーがバイアスとしてかかっていることが予想されます。)
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/imgs05/fxfxl0244.jpg
しかし、窓ができてから数日、あるいは数週間の時間が経過すると、
新たに戻り売りの指値がずらっと置かれるのはよくあることです。
窓が形成された価格帯に戻り売りの指値が置かれるのも、
さほど珍しくないことのように思われます。
こうなると、真空地帯であるがゆえに売りが薄い云々の説明は
ちょっと成立が難しいのかな、
という感じがします。
というわけで、正直申し上げまして、
理論としては発展途上なのかなという感じです。
が、考え方としては面白いと思います。
黒岩氏には敬意を表したいと思います。
個人的な考えを言わせていただければ、
数日、あるいは数週間後における
窓(ギャップ)の価格帯の意義とは、
純粋にマーケット参加者の皆が注目することによって
トレンドラインなどと同様に、
社会的実体(共同幻想)として、
いわゆる「テクニカルポイント」として
機能するということではないかと思います。
※テクニカル分析 共同幻想説
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/2009/12/fx139.html
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■ 次回予告
次回は、
窓・壁理論6 潜在的な推進力の理論
をご紹介いたします。
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