今日は読書の秋ということで、図書館に行ってきたのですが、

そこでたまたま『呉越燃ゆ-史記』というマンガを見つけました。

読んでみると、大変素晴らしい本でした。

 

その一節に、次のような孔子にまつわるエピソードがありました。

「わが孔子先生は、この十数年来諸国を歩いて”仁”や”知”を説き、人を愛すること、人の生きる道などを説いてこられました。

しかしその先生が、私たち弟子を前にこうおっしゃるのです。


わたしはもう ことばで人に教えることはやめようと思う”と…。

私たちは驚いて先生におたずねしました。

”それでは人に真実を教えることができなくなりますが”と。

すると先生はお答えになりました。

ごらん 天はなにも語らぬではないか。

それでも四季はめぐり、万物は生長している。

天 なにをか言うや…”と。」

 

深すぎます。

原典の論語には、

「子の曰わく、われ言うこと無からんと欲す。

子貢曰わく、子もし言わずんば、小子何をか述べん。

子の曰わく、天何をか言うや。

四時行なわれ、百物生ず。

天何をか言うや。」(陽貨第十七-十九)

とあります。

中国古典は本当に素晴らしいな~と再認識しました。

 

ちなみにこの言葉、伝説のマンガ『孔子暗黒伝』(諸星大二郎著 1977~78年)の最後の辺でも出てくる有名な言葉で、ご存じの方も多いかもしれません。

孔子暗黒伝   孔子暗黒伝 新

 

「天何をか言うや」

相場にも通じることではないでしょうか。