先ほど、メルマガ最新号
FX・株のテクニカル分析入門 第305号
テクニカル分析の本質 6 まとめ
を発行致しました。
以下は前号のバックナンバーです。
FX・株のテクニカル分析入門 第304号
テクニカル分析の本質 5
ミリンダ王の問い~存在とは何か~
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こんばんは。FXTECです。
いつもご愛読ありがとうございます。
感謝します。
さて、本日は、
テクニカル分析の本質 5 テクニカル分析とミリンダ王の問い
~存在とは何か~
をご紹介いたします。
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■ミリンダ王の問い
「存在」について説きあかしたものとして、
仏典に、「ミリンダ王の問い」という有名な説話があります。
評論家の宮崎哲弥氏の著作にわかりやすい説明がありますので、
ご紹介いたします。
(以下、宮崎哲弥・呉智英 著『知的唯仏論』
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/url/r.cgi?myuibutu より引用)
「北西インドを支配したギリシア人の王ミリンダ(メナンドロス)が
老学僧ナーガセーナに訊(き)きます。
「仏教は自我を否定するという。
ならば、布施をして僧の生活を支える者たちは
一体誰なのか。
修行に励む僧とは何者なのか。
五戒を破り、重罪を犯すのは一体誰か。
もしナーガセーナを殺(あや)める者があっても、
自我が存在しないとあっては無罪放免にするしかないが、
それでよいのか。
そもそもナーガセーナとは、一体何か。
頭髪がナーガセーナなのか。体毛がナーガセーナか。
爪がそうか・・・。
あるいは表象作用があなたなのか。
造形作用がそうか。識別作用がそうか。
それらが一つになった全体か。
それともその外部にあるものがあなたなのか!」
老僧はその一つとして領(うなず)かない。
そこでミリンダ王が叫ぶ。
「ならば、ここにおわすナーガセーナ師とは一体何なのですか。
あなたは『ナーガセーナ』は存在しないといって、
私を謀(はか)っておられるのです!」
ナーガセーナはおもむろに切り返します。
「王よ、もし車に乗ってここにおいでになったというのであれば、
その車が何であるかをいま告げてください。
轅(ながえ)が車でしょうか。車軸が車でしょうか。
車輪がそうなのですか。車体がそうなのですか。
車棒か。軛(くびき)か。輻(や)か。
鞭(むち)か。
あるいは、それらが一つになった全体が車なのですか。
はたまた、それらの外部にあるものが車でしょうか」と。
ミリンダ王は考え込み、やがて答える。
「ナーガセーナ師よ。
車とは、轅、車軸、車輪・・・の
それぞれに縁った関係性において、
はじめて起こる名称や仮名や呼称や通称であります」
ナーガセーナは莞爾(かんじ)と微笑み、
「車と同様、『ナーガセーナ』とは、
頭髪、体毛、爪、歯、皮、肉・・・の
それぞれに縁った関係性において、
はじめて起こる名称や仮名や呼称や通称であります。
しかし勝義においては
『車』も『ナーガセーナ』も、そして『ミリンダ王』も
存在しないのです。」
(以上、宮崎哲弥・呉智英 著『知的唯仏論』
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/url/r.cgi?myuibutu より引用)
※メナンドロス1世:西北インドに建てられたギリシャ人による
ヘレニズム系王朝(インド・グリーク朝)の国王
(在位:紀元前155年頃 - 紀元前130年頃)。
■テクニカル分析の本質(「色即是空」)
「それぞれに縁った関係性において、
はじめて起こる名称や仮名や呼称や通称」
仏教ではこれを
「縁起(えんぎ)」あるいは「空(くう)」と呼び、
存在の本質と考えるようです。
テクニカル分析も、まさにコレであると考えます。
貨幣も、国家も、その本質は同様です。
私たちの社会を構成するものが、
互いの関係性によって、
縁によって成り立っているわけです。
永遠不変の実体ではなく「空(くう)」であり、
その本質は「無常」である、
ということです。
(「色即是空」)
ただ、貨幣、国家、法人、宗教、テクニカル分析の本質が
実体の無い虚構である、といっても、
別に虚無的な、無意味なものだと言いたいわけではありません。
■たしかに「虚構」ではあるが、決して「虚無」・「無意味」ではない(「空即是色」)
東大の岩井克人先生も、以下のように語っておられます。
「ただ、ぼくは幻想という言葉は使いたくないんです。
幻想じゃないんです、これは。
実体なんです。真理なんです。
根拠がないということと、幻想であるというのは
違うと思うんですよ。
だから吉本さんの共同幻想という言葉も、
あれは誤解を招きます。
やっぱり国家は実体です。
権利も実体です。
社会的実体。
ただその社会的実体は
社会との相関関係のうちにしかないということです。
そういう意味では、
物理的な実体ほどの確実さはありませんけれども、
しかしあくまでも実体です。」
(岩井克人著「資本主義から市民主義へ」
http://fxtechnicalblog.fxtec.info/url/r.cgi?iwaigenso
より引用)
この岩井先生の見解に、私も同意します。
虚構だからダメ、ということはまったくありません。
たしかに虚構ではありますが、
社会的には立派に「存在」しているのです。
(「空即是色」)
私は、貨幣も、国家も、
人類の叡智の結晶で素晴らしい物だと思っています。
同様に、テクニカル分析というものも、
非常に有意義な物と考えております。
■テクニカル分析ツール
テクニカル指標を表示するには、以下のツールを使うと便利です。
それぞれに利点があるので、
以下の5つを用途によって使い分けるのがいいと思います。
いずれも無料なので、いざというときの為にも、
5つともいつでも使える状態にすることをおすすめします。
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■ 次回予告
次回は、
テクニカル分析の本質 6 まとめ
をご紹介いたします。
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