2012/03/08 (木)
21:00 英中銀政策金利
結果 0.50% 市場予想どおり
予想 0.50%
現行 0.50%
資産買入枠を3250億ポンドに据え置き。
21:45 ECB政策金利
結果 1.00% 市場予想どおり
予想 1.00%
現行 1.00%
22:30ごろから ECB総裁ドラギ会見
「経済に安定化の兆しがみられる。」
「経済見通しには下振れリスクがある。」
「インフレには上振れリスクがある。」
「2012年のインフレ率は引き続き2%を上回る可能性、上振れリスクが増している。」
「2回の長期流動性オペの初期的な影響はプラス。」
「長期流動性オペは今後もユーロ圏を支援する。」
「景気は段階的に回復する。」
「インフレへのリスクは引き続き概ね均衡。」
「物価安定の上振れリスクを回避するすべての手段が完全に利用可能。」
「各国政府が財政健全化・改革をさらに進める緊急な必要性。」
「全ての異例の措置は一時的なもの。」
「リスク環境は改善した、市場は長期流動性オペ後に再開。」
「ユーロ圏への信頼が戻りつつある兆し。」
「長期流動性オペはテールリスク除去に多大な効果あった。」
「次は政府と銀行が行動する番だ。」
「バイトマン独連銀総裁との関係は良好(独連銀の書簡について)。」
「独連銀はじめ、理事会内では誰も孤立していない。」
「8日の理事会では金利変更を協議しなかった。」
「銀行間市場が機能していない時にTARGET2の不均衡は正常、ただ構造面の弱さを露呈。」
「調査では銀行融資の穏やかな回復がみられる。」
「バランスシートへのリスクが高いというのは誤り。」
「外需と低金利が景気を支援。」
「非常に緩やかな回復がみられる。」
BOE金利、 その後のECB金利も
市場予想どおりの据え置きで
サプライズは全くなし。
その後のECB総裁ドラギ会見は、
今までとは打って変わってかなり前向きな、希望の見える内容でした。
あたかも、リーマンショック以来の経済危機はすでに大底を打って、
欧州経済が回復軌道に乗ったような印象を受ける内容でした。
常識的、ファンダメンタル分析的に考えると、
・BOE金利、ECB金利発表では材料織り込み済みで動きようがなく、
・ドラギ会見でユーロ爆買い、クロス円爆上げ
となるのが自然に思えます。
では、この材料を受けて、
机上の空論ならぬ現実のマーケットはどのように動いたのでしょうか?
↓のチャートを見る前に1分間想像してみてください。
・ユーロドル の値動き
・ユーロ円 の値動き
・ポンドドル の値動き
・ポンド円 の値動き
・ドル円 の値動き
・原油 の値動き
・金 の値動き
・NYダウ の値動き
5分足 下記のチャートでは13:00が日本時間21:00 BOE金利
ユーロドル5分足
ユーロドル、ドル円、ユーロ円 各5分足の比較
BOE、ECB金利ではマーケットはほとんど反応は有りませんでした。
サプライズが一切無い材料だったので、常識的に考えて理解できます。
しかしその後、ドラギ会見は希望あふれる内容でしたが、
マーケットは特に狂喜乱舞するような反応は全く無く、
ポジション調整のような小動きにとどまりました。
常識的、ファンダメンタル分析的に考えると全く意味がわかりませんが、
これが、生きた相場なのです。
さて、場味の分析ですが、
どちらかというと好材料に思える内容に対して、
マーケットは素直に上昇では反応しませんでした。
一見すると、熱気が冷めたような、強気の地合いではないように思えます。
しかし、実はBOE、ECB金利発表前の日本時間18時頃に
ユーロはすでに保合を上放れする一相場があり、
そこで欧州経済の堅調さを織り込んだようなふしがありました。
また、ドラギ会見で反落と言うよりも、数十pipsの軽い調整的な感じなので、
全体として値動きを俯瞰すると、上昇基調堅持でした。
また、翌日は米雇用統計が控えており、ポジション調整の好機でした。
このため、全体の地合いの判断としては、
強気維持と言って良いと思います。
いずれにせよ、とりあえずは今晩の米雇用統計で、
どのような値動きになるのか、
マーケットは本当にリスク選好の地合いになったのか、
マーケットの反応に注目してみたいと思います。