2012/02/09 (木)
21:00 英中銀政策金利
結果 0.50% 市場予想どおり
予想 0.50%
現行 0.50%
資産買入枠を500億ポンド拡大し3250億ポンドに(悪材料)
21:45 ECB政策金利
結果 1.00% 市場予想どおり
予想 1.00%
現行 1.00%
22:30ごろから ECB総裁ドラギ会見
「インフレは今後数ヶ月2%上回るが、その後2%下回る公算。」
「経済安定化の一時的な兆候がみられる。」
「経済見通しは先行き不透明感強く、下振れリスクある。」
「ユーロ圏経済、2012年を通して非常に緩やかに回復する見通し。」
「マネー拡大の基調的ペースは依然として控えめ。」
「インフレリスクは概ね均衡。」
「成長への下振れリスクは、債務危機・予想下回る世界経済成長・保護主義・商品価格動向。」
「インフレ下振れリスクは、ユーロ圏と世界経済の弱い成長。」
「インフレ上振れリスクは、税金や商品価格など。」
「3年物オペの効果はまだ明らかになりつつある状態。」
「ギリシャ債の扱いについてはコメント控える。」
「ギリシャ党首らは合意に達した。」
「ECBは担保で一段のリスクをとる。」
「ECBのリスク管理はうまくいく。」
「ECBは担保状況を6ヶ月ごとに見直す。」
「ECBは信用の減速を懸念。」
「銀行融資の調査、長期資金供給オペを完全に反映していない。」
「一部の銀行は長期オペの資金を自行借り換えに利用している。」
「ECB理事会は9日は金利変更を協議せず。」
「3年物オペの第2回目の規模は初回と同様だろう。」
「ECBが損失負担するとの話には法的根拠がない。」
「財務相会合後までECBの対応策は言えない。」
「非標準的措置が永久に続いてはならない。」
BOE金利は市場予想通りでしたが、
資産買い入れ枠は500億ポンド(約6兆1000億円)の拡大で悪材料。
その後のECB金利も市場予想どおりの据え置きで
サプライズは全くなし。
その後のECB総裁ドラギ発言は、
若干の希望がチラホラ見える内容となりましたが、
楽観できる内容ではなく、さほどの好材料と言うほどのものではありませんでした。
常識的、ファンダメンタル分析的に考えると、
・BOEの資産買い入れ枠拡大発表でポンド急落
(少なくともこれでポンドが買われることはないだろう)、
・ECB金利発表では材料織り込み済みで動きようがなく、
・ドラギ会見で若干ユーロ買いがでるもののほとんど動かず、
となるのが自然に思えます。
では、この材料を受けて、
机上の空論ならぬ現実のマーケットはどのように動いたのでしょうか?
↓のチャートを見る前に1分間想像してみてください。
・ユーロドル の値動き
・ユーロ円 の値動き
・ポンドドル の値動き
・ポンド円 の値動き
・ドル円 の値動き
・原油 の値動き
・金 の値動き
・NYダウ の値動き
5分足 下記のチャートでは13:00が日本時間21:00 BOE金利
ユーロドル、ドル円、ユーロ円 各5分足の比較
まず、21:00のBOE金利、資産買い入れ枠拡大発表で、
なんとマーケットはポンド爆買いで反応!
クロスのポンド円も爆上げとなりました。(これで円売りモードにスイッチが入った模様)
ポンドが爆上げするような材料では全く無いわけですが、
いつものポン様ご乱心です。
その後ECB金利が発表されると、
マーケット予想どおりでサプライズは一切なかったにもかかわらず、
ユーロ爆上げの後、爆下げの乱高下モード。
材料織り込み済み(笑)という言葉が虚しく思えます。
その勢いで22:30のドラギ総裁会見に突入すると、
結局21:00のBOE金利発表時から発生していた円売りモードに乗る形で、
どさくさに紛れてユーロ円の上昇に乗ってユーロドルも上昇しました。
(本来逆相関であるユーロドルとドル円が仲良く一緒に上昇するという、
例のクロス円バブルモード、円安バブルモード)
たしかに、ドラギ会見は多少の希望が垣間見える内容でしたが、
決して楽観視できる内容ではなく、
狂い上げするほどのものではありませんでした。
常識的、ファンダメンタル分析的に考えると全く意味がわかりませんが、
これが、生きた相場なのです。
さて、場味の分析ですが、
強気材料というほどのものではない材料で、
ユーロは上昇となりました。
地合いがしっかりしていることを示唆しています。
マーケット全体の様子を見ても、
先週の米雇用統計の強い数字、
日本の貿易収支大赤字、経常収支黒字激減の材料から
大きな流れが変わってきたような感じがあります。
巨大なプレイヤーがクロス円買い、円売りに舵を切ったような印象があります。
とりあえず、ドル円が78.3の強固な壁を突破できるか、
週足トレンドラインを週足終値で突破できるかに注目したいと思います。