2011/06/03 (金) 21:30

非農業部門雇用者数(NFP)(5月)21:30
結果 54千人増 予想よりも悪い!
予想 165千人増 
前回 232千人増(244千人増から修正)(前月比) 下方修正

失業率(5月)21:30
結果 9.1% 予想よりも悪い!
予想 8.9% 
前回 9.0%

        

今回の雇用統計は、

非農業部門雇用者数、失業率、

ともに予想を大きく下回る数字で、

サプライズの悪材料でした。

   

常識的、ファンダメンタル分析的に考えれば、

文句なしに

・ドル暴落

・株暴落

の一方通行になりそうに思えます。

   

では、この材料を受けて、机上の空論ならぬ現実のマーケットはどのように動いたのでしょうか?

   

↓のチャートを見る前に1分間想像してみてください。

・NYダウ の値動き → 上昇?下落?

・ドル円 の値動き → 上昇?下落?

・ユーロドル の値動き → 上昇?下落?

・ユーロ円 の値動き → 上昇?下落?

・ポンドドル の値動き → 上昇?下落?

・ポンド円 の値動き → 上昇?下落?

・原油 の値動き → 上昇?下落?

・金 の値動き → 上昇?下落?    


    

1分足 下記のチャートでは14:30が日本時間21:30

fxfxi0120.jpg

初動は、株大暴落、ドル暴落、クロス円暴落で、いわゆるリスク回避のパターン。

素直な反応。

   

   

15分足

fxfxi0121.jpg

その後、非常に複雑な値動きに。

一くくりにリスク回避パターンとも、リスク選好パターンとも言えない値動き。

      

※このチャートを見る方法

   

雇用統計が発表された瞬間、

初動は、

株暴落

ドル暴落

クロス円暴落

で反応しました。

バブル崩壊モードで素直な反応です。

   

しかしその一方通行の流れも長くは続かず、

1時間ほどでカウンターが入って乱高下モードに。

ユーロ円、ユーロスイスなどのクロスペアはあっという間に

雇用統計発表前を超える水準まで猛烈なカウンター上げ。

バブル崩壊リスク回避パターンを一気に粉砕して

バブルイケイケモードにスイッチオンという感じになりました。

   

注目すべきはユーロドルの値動きで、

初動こそ悪材料を受けた素直なドル安でしたが、

5分ほどでユーロ円の暴落に引っ張られたのか、

ドル高に転換しています。

ドル高、円高で結果としてクロス円暴落、という、

いわゆるリスク回避パターンの値動きですが、

やはりどうもクロス円の需給が引っ張っているような値動きです。

しかしその動きも永続はせず、結局22:00からドル安方向に向かって突進していきました。

最初からドル安で突進しておけばよかったのに、

なぜ途中で一回、買い持ちをふるい落とすようなドル高になったのか?

非常に興味深い値動きです。

     

さて、場味の分析ですが、

明らかな悪材料に対して、瞬間的にマーケットはリスク回避パターンで反応したものの、

その流れはトレンドを作るまでには至らず、

全体的なマーケットのコンディションを見ると、

単純なリスク回避にもならず、

米長期金利も3.00%で安定状態になっています。

CBOE Interest Rate 10-Year T-No Index Chart - Yahoo! Finance

底堅い感じです。

下値を固めているような印象です。

夏に向けて、もうしばらくこのような保合(もちあい)を続けるのではないでしょうか。

    

以上、少しでもご参考になりましたら幸いです。