BIS(国際決済銀行)が3年に1度発表している、為替に関する
Triennial Central Bank Survey of Foreign Exchange and Derivatives Market Activity
というレポートがあります。
※BIS(国際決済銀行)とは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E6%B1%BA%E6%B8%88%E9%8A%80%E8%A1%8C
国際決済銀行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
国際決済銀行(こくさいけっさいぎんこう)は、中央銀行間の通貨売買(決済)や預金の受け入れなどを業務としている組織。1930年に第一次世界大戦で敗戦したドイツの賠償金支払いを統括する機関として設立された。本部はスイスのバーゼル。略称はBIS(Bank for International Settlements)。本部に支払・決済委員会(CPSS)が設置されている。
以下、同レポートの2007年バージョンから、
世界の為替市場の通貨ペア別取引高等についてご紹介します。
レポートのダウンロードは↓から。
2007年の、為替取引全体の流動性、取引高は、
一日あたりの平均で約30810億ドル、
1ドル110円として、一日あたり約338兆円です。(笑)
一週間とか一ヶ月ではなく、一日あたり、です。
とてつもない超巨大市場です。
次に通貨ペアごとのシェアですが、
取引総量 (10億ドル) |
シェア(%) | |
US dollar/euro | 840 | 27 |
US dollar/other | 572 | 19 |
US dollar/yen | 397 | 13 |
US dollar/sterling(英ポンド) | 361 | 12 |
US dollar/Australian dollar | 175 | 6 |
US dollar/Swiss franc | 143 | 5 |
US dollar/Canadian dollar | 115 | 4 |
Euro/other | 112 | 4 |
US dollar/Swedish krona3 | 56 | 2 |
Euro/yen | 70 | 2 |
Euro/sterling | 64 | 2 |
Euro/Swiss franc | 54 | 2 |
Other currency pairs | 122 | 4 |
All currency pairs | 3,081 | 100 |
ユーロドルが圧倒的に取引量が多く、単独で27%を占めています。
そして、
ユーロ/米ドル、
米ドル/円、
ポンド/米ドル、
この三通貨ペアで、全体の52%を占めています。
対米ドルの通貨ペア(ドル・ストレート)のシェアは、
88%に達し、米ドルが未だに基軸通貨として健在
という事実を示しています。
(少なくとも2007年の段階では。)
一方で、対ユーロの通貨ペアのシェアも、
37%に達し、第二の基軸通貨としての存在感を示しています。
クロス円はユーロ円のみがランクインしておりますが、
シェアは2%にとどまっています。
日本では非常に人気の高いポンド円、豪ドル円などは、
見る影もありません。
これは、日本でさかんに取引されているクロス円
(ポンド円、南アフリカランド円、豪ドル円、NZD円等)は、
直接、円とポンド等を取引しているわけではなく、
仮想的な合成レートを提示されているに過ぎないからです。
例:ポンド円=ドル円xポンドドル
したがって、何が言いたいかというと、
テクニカル分析の観点からは、クロス円よりも、
世界中のトレーダーが取引をしているドルストレートペアで
トレードを行った方が良いと思われる、ということです。
テクニカル分析は相場心理の精神解剖であり、
相場参加者の皆が見ているが故に生じる特殊な力学を解析するものと考えております。
例:重要なトレンドラインのブレイクアウト(画像はユーロドル)
よって、日本以外ではほとんど見られていないチャート(クロス円の多く)をテクニカル分析しても、
独りよがりな空論の域を出ず、あまり意味がないと考えております。
初心者の方は、まずはドル円、ユーロドルを
集中的に研究するのがよろしいかと思います。
ポンドは完全な投機通貨でハチャメチャな値動きが多いので
損切りに躊躇してしまう初心者の方にはおすすめできません。
もっと言うと、個人的にはドル円とクロス円は世界一難しい通貨ペアだと思います。
妙な値動きが非常に多いです。
比較的素直なユーロドルがおすすめです。
(ただし、ユーロドルではRSIなどのオシレーターは意味がないので使ってはいけません。)
トレンドに乗ることを心がけてください。